着付け教室の情報収集
着物を着ようと思い立つと、早速、着付け教室を探し始めました。母に教えてもらえれば一番よかったのですが、悲しいことに母も着物が着られません。
母は、昭和17年の戦中生まれ。戦後日本の復興を支え、古い日本を捨て新しい国を作ることに心血を注いだこの世代は、「子どもの頃は物がなくて、物心ついたら今度は高度経済成長やなんやいうて、やれ就職や、結婚や、出産や、子育てやいうてたら、着物なんか振り返る間もなくあっちゅう間にこの年」なんやそうです。
着付け教室探しは、かなりこわごわでした。門外漢にとって、着物の世界は敷居が高く感じられるものです。それに私には、強引な商法によるトラブルの話を聞きすぎていて、和服業界全体にあまり良いイメージがありませんでした。着付け教室でもぼったくられたらどうしよう。そんな不安がありました。
ところが、最初に目にとまったのは、それとは真逆の情報でした。地域の情報紙に「無料着付け教室、生徒募集」の文字。一瞬とびつきそうになりましたが、すぐ冷静になりました。そんなにうまい話があるものでしょうか。先生はボランティアなんやろうか。この情報紙への広告費は、どこから出てるんやろ? 何か裏がありそうに思えてなりません。
ネットで情報を収集してみました。情報誌にあった教室の主催者の名前と、無料着付け教室、というキーワードで検索すると、いくつもヒットがありました。その中には予想どおり、トラブルを訴える声もありました。カリキュラムの一環として、反物の勉強会というような名前で反物を見に連れて行かれ、そこで強引に薦められて困った、といった内容した。
真偽のほどはよくわからないものの、確かにそういうことがなければ無料というのは採算が合わないように思い、さもありなんと思いました。
無料着付け教室に行った経験のある2人の話
無料着付け教室というのは、いくつもの団体がやっているようです。いろんな人に話を聞いてみると、私の友人にも二人、それぞれ別の無料着付け教室に行った経験のある人がいました。
二人とも、やはり反物勉強会に準じるものはあったそうですが、でもトラブルなくコースを終えていました。一人は「私は幸い、先生がすごくよかったから」と言っていました。反物の勉強会は、先生が最初から、「買わなくていいから」と言ってくれたのだそうで、形だけの参加だったそうです。
もうひとりは、最初から覚悟していて、反物の勉強会でも絶対に買わないと決めていたそうです。特に強引だったともそうでないとも言ってませんでしたが、とにかく要らないものを買うことはなく、無事に終ったとのことでした。
情報収集してみてわかったことは、着物の海を事故なく渡るための鍵は「強い心」だということです。ともかく自分がしっかりしてなあかんねんな、と思いました。
また、できるかぎりたくさんの人に話を聞くことや、ひとつの情報に飛びつかず、十分に検討することも大事だと思いました。

